世界一高い山『エベレスト』
世界の常識でしょうか。
ほんとは違うって言ったら信じますか?
「最高峰がエベレスト」といくのは、
海面を基準に測ったら正解です。
どこから頂上までの高さを測るかによって、
世界一は変わります。
・ふもとを基準に測る→最高峰は北米(アラスカ)
・地球の中心を基準に測る→最高峰は南米(エクアドル)
昨日の記事ではエベレストの標高がだんだん
高くなっていることを紹介しました。
今日の記事では「エベレストは最高峰でない」
という考え方について、解説したいと思います。
それではよろしくお願いします。
![](https://kekelab.com/wp-content/uploads/2021/09/everest-1199431_1280-1.jpg)
海面を基準に測る【エベレスト】
山の高さは平均海面を基準に測ります。
しかし、ヒマラヤほど大きな山脈ですと、
ブータン、中国、インド、ネパール、パキスタン
5つの国にまたがっています。
どの海を基準に測るのかで、結果が変わるはずです。
昨日の記事でも、雪冠(頂上の雪)の高さを含めるかで、
テッペンが変わる話をしました。
底をどこに設定するか、
これによっても標高は変わります。
ただ、このくらいでは誤差の範囲で、
エベレストの1位は揺らぎません。
では、どこを基準に測ると、
エベレストは世界一じゃないのでしょうか。
ふもとを基準に測る【デナリ】
アメリカ・アラスカ州にデナリという山があります。
マッキンリー山と呼ばれていたこともありました。
北米大陸の最高峰で、標高6190.4mです。
![](https://kekelab.com/wp-content/uploads/2021/09/denali.png)
デナリの標高はエベレストより2660m低いです。
ですが、わたしはデナリを世界最高峰と認める説が、
一番好きです。だって、山ですから。
エベレストの山頂は、ふもとのチベット高原から3700mだけです。
海から富士山くらいの高さだけです。
一方で、デナリはふもとの平地から5500mです。
つまり、ふもとに立ったとき、
世界で一番大きく見える山はデナリです。
おもしろいですよね。
地球の中心を基準に測る【チンボラソ】
地球は高速で回転しています(自転)。
遠心力で赤道方向に少し膨らんでいます。
![](https://kekelab.com/wp-content/uploads/2021/09/ellipsoid.png)
ですので、地球のど真ん中を基準にすると、
エベレストの高さは最高ではありません。
赤道直下にあるチンボラソが世界一です。
南米・エクアドルにある火山です。
![](https://kekelab.com/wp-content/uploads/2021/09/Ecuador-Chimborazo-5.png)
海面を基準にすると、
エベレスト8848m、6268mと
チンボラソの方が2580m低いです。
ですが、地球の中心を基準にすると、
エベレスト6382.3km、チンボラソ6384.4kmと
チンボラソの方が2.1kmも高いです。
ちなみに、エベレストの緯度は北緯28度、
チンボラソは南緯1度で、ほぼ赤道上です。
以上、どこを基準とするかによって、
“山の高さ”が変わることを解説しました。
おまけ: エベレスト山頂の過酷さ
エベレストの気圧は300hPa (=0.30気圧)。
これは、富士山の630hPa (=0.62気圧)、
平地の1013hPa (=1気圧)と比べても非常に小さいです。
酸素濃度(酸素と窒素の割合)はどこも同じ21%ですが、
気圧が低い分、絶対的に存在する酸素の数が少ないです。
高山病の観点から非常にキケンです。
山頂の平均気温は-30℃、風速は30m、
体感温度は-60℃になると言います。
まとめ
基準の位置によって、
世界一高い山が変わることを紹介しました。
・海面基準→エベレスト
・ふもと基準→デナリ (アラスカ)
・地球の中心基準→チンボラソ (エクアドル)
エベレストが世界の天井というのは常識ですが、
視点を変えると、新しい考え方を知ることができます。
最後までご覧いただき、
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