世界一高い山『エベレスト』
世界の常識でしょうか。
ほんとは違うって言ったら信じますか?
「最高峰がエベレスト」といくのは、
海面を基準に測ったら正解です。
どこから頂上までの高さを測るかによって、
世界一は変わります。
・ふもとを基準に測る→最高峰は北米(アラスカ)
・地球の中心を基準に測る→最高峰は南米(エクアドル)
昨日の記事ではエベレストの標高がだんだん
高くなっていることを紹介しました。
今日の記事では「エベレストは最高峰でない」
という考え方について、解説したいと思います。
それではよろしくお願いします。

海面を基準に測る【エベレスト】
山の高さは平均海面を基準に測ります。
しかし、ヒマラヤほど大きな山脈ですと、
ブータン、中国、インド、ネパール、パキスタン
5つの国にまたがっています。
どの海を基準に測るのかで、結果が変わるはずです。
昨日の記事でも、雪冠(頂上の雪)の高さを含めるかで、
テッペンが変わる話をしました。
底をどこに設定するか、
これによっても標高は変わります。
ただ、このくらいでは誤差の範囲で、
エベレストの1位は揺らぎません。
では、どこを基準に測ると、
エベレストは世界一じゃないのでしょうか。
ふもとを基準に測る【デナリ】
アメリカ・アラスカ州にデナリという山があります。
マッキンリー山と呼ばれていたこともありました。
北米大陸の最高峰で、標高6190.4mです。

デナリの標高はエベレストより2660m低いです。
ですが、わたしはデナリを世界最高峰と認める説が、
一番好きです。だって、山ですから。
エベレストの山頂は、ふもとのチベット高原から3700mだけです。
海から富士山くらいの高さだけです。
一方で、デナリはふもとの平地から5500mです。
つまり、ふもとに立ったとき、
世界で一番大きく見える山はデナリです。
おもしろいですよね。
地球の中心を基準に測る【チンボラソ】
地球は高速で回転しています(自転)。
遠心力で赤道方向に少し膨らんでいます。

ですので、地球のど真ん中を基準にすると、
エベレストの高さは最高ではありません。
赤道直下にあるチンボラソが世界一です。
南米・エクアドルにある火山です。

海面を基準にすると、
エベレスト8848m、6268mと
チンボラソの方が2580m低いです。
ですが、地球の中心を基準にすると、
エベレスト6382.3km、チンボラソ6384.4kmと
チンボラソの方が2.1kmも高いです。
ちなみに、エベレストの緯度は北緯28度、
チンボラソは南緯1度で、ほぼ赤道上です。
以上、どこを基準とするかによって、
“山の高さ”が変わることを解説しました。
おまけ: エベレスト山頂の過酷さ
エベレストの気圧は300hPa (=0.30気圧)。
これは、富士山の630hPa (=0.62気圧)、
平地の1013hPa (=1気圧)と比べても非常に小さいです。
酸素濃度(酸素と窒素の割合)はどこも同じ21%ですが、
気圧が低い分、絶対的に存在する酸素の数が少ないです。
高山病の観点から非常にキケンです。
山頂の平均気温は-30℃、風速は30m、
体感温度は-60℃になると言います。
まとめ
基準の位置によって、
世界一高い山が変わることを紹介しました。
・海面基準→エベレスト
・ふもと基準→デナリ (アラスカ)
・地球の中心基準→チンボラソ (エクアドル)
エベレストが世界の天井というのは常識ですが、
視点を変えると、新しい考え方を知ることができます。
最後までご覧いただき、
ありがとうございました。
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