前回の記事ではタイヤがなんで黒いか、
材料強度の観点から説明しました。
ゴムに『カーボンブラック』というススを混ぜることで、
強度を向上させています。
このカーボンブラックが黒いので、タイヤも黒いのです。
今回はその後編、完結編です。
現在の材料科学では、
カーボンブラックを使うよりも高い性能を、
カーボンブラックを使わずに実現できます。
ホワイトカーボンの登場
カーボンブラックよりもタイヤを強くする材料がみつかりました。
それはシリカという白い粉末です。
カーボン(炭素)ではありませんが、カーボンブラックとの対比で、
ホワイトカーボンと呼ばれています。
![](https://kekelab.com/wp-content/uploads/2021/09/jk-silica.jpg)
最近のタイヤはホワイトカーボンが練り込まれています。
カーボンブラックを使わなくても、長持ちタイヤを作れます。
つまり、白いタイヤも作れます。
他の色の顔料を混ぜ込めば、青でも赤でも緑でも作れます。
人間心理
カーボンブラックを使わずに、
強いタイヤを作れるようになったことがわかりました。
ではなぜいまだにタイヤは黒ばかりなのでしょうか?
それは、『カラータイヤってなんか弱そう』
『信頼できない』というイメージを持つ人が多いからです。
材料科学としては、カラフルなタイヤを作れます。
ただ、人の命を乗せて高速で移動する車。
マーケティング的には、その足元を
堅固で丈夫なイメージの黒で支えた方が製品が売れる、というわけです。
![](https://kekelab.com/wp-content/uploads/2021/09/shadrach-warid-gqb3xbGa5Y-unsplash.jpg)
ですので、最近のタイヤは、
より性能の高いホワイトカーボンを使いつつも、
カーボンブラックも併用して、タイヤをわざと黒くしています。
まとめ
タイヤがなぜ黒いか解説しました。
前回の記事で、タイヤは「カーボンブラックという
黒いススを混ぜることで、強度を出している」
なので黒い、という材料的な側面からの理由を言いました。
今回、カーボンブラックより強度を出せる材料があるのに、
いまだにカーボンブラックが使われているのは、
「黒い方が丈夫で頑丈なイメージがある」
という心理的な側面の理由があることがわかりました。
他にも、ホワイトカーボンよりカーボンブラックの方が、
ゴムに混ぜるのがラク、という理由もあると思います。
いずれにしても、消費者が欲しいものを作る!
この企業努力が大事ですね。
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