ゴムには色のバリエーション、豊富にありますよね。
例えばカラフルな風船、良くみます。
同じゴムなのに、車のタイヤは黒しか見ません。
なぜでしょうか?
カラフルなタイヤは作れないのでしょうか。
以前「チコちゃんに叱られる(NHK)」でも
同じ質問がありました。
『タイヤは黒いもの』決めつけていると、
叱られます。一緒に勉強しましょう。
わかりやすく解説します。
それでは、よろしくお願いします。
昔のタイヤは白かった
もともとのゴムの色は白です。
天然ゴムと呼ばれる樹液です。
![](https://kekelab.com/wp-content/uploads/2021/09/natural-rubber.jpg)
それを使ったタイヤも白でした。
ただ、強度が弱くて、すぐにやぶれてしまいました。
![](https://kekelab.com/wp-content/uploads/2021/09/ford-3777615_640-1.jpg)
強度を出すために黒?
車は命を乗せて走ります。
時速100kmの速さにも耐えなくてはいけません。
簡単に変形してしまったら、困ります。
![](https://kekelab.com/wp-content/uploads/2021/09/race-cars-6525550_1280.jpg)
そこで、強度を出すための補強剤として、
カーボンブラックという粉末が混ぜ込まれるようになりました。
このカーボンブラックが黒いのです。
道路の凹凸で発生する衝撃をやわらげるゴムの特徴、
1トン、2トンという車両の重さを支えるカーボンブラックの補強性、
タイヤはこれら2つの良いとこ取り、ハイブリッド材料なのです。
タイヤの重さの約3割がカーボンブラックです。
私達の生活に欠かせない材料です。
カーボンブラックってなに?
作り方
油やガスを、酸素がたくさんあるところで燃やすと、
二酸化炭素になってしまいますよね。
油やガスを、酸素がないところで燃やすと、
カーボンブラックというススができます。
![](https://kekelab.com/wp-content/uploads/2021/09/tokaicarbon-carbon-black.jpg)
用途
カーボンブラックはタイヤの補強剤以外にも、
・塗料、新聞などのインキ、墨汁などの顔料
・黒いゴムやプラスチックの着色料
・化粧品のマスカラやアイライナー
に使われています。
![](https://kekelab.com/wp-content/uploads/2021/09/woman-2315_1280-1024x682.jpg)
カタチ
見た目は黒い粉末です。
これを拡大してみると、数ナノメートルの鎖状の粒からできています。
これは、1ミリの100万分の1の大きさです。
![](https://kekelab.com/wp-content/uploads/2021/09/cb-TEM-1.png)
機能
タイヤの強度、削れにくさ、ブレーキ性能、燃費向上に
貢献しています。
ゴムとカーボンブラックは仲良しで、
ぴったりくっつきます。
なので、カーボンブラックを均質に混ぜ込んだゴムでは、
ゴムが変形するときに、ゴムとカーボンブラックの吸着、
カーボンブラックの特殊な鎖形状による抵抗により、
強度が発揮されます。
ここまでのまとめ
タイヤが黒い理由を、材料の観点から解説しました。
・カーボンブラックを入れることで、強度向上
・カーボンブラックを入れると、黒く着色
という仕組みでした。
![](https://kekelab.com/wp-content/uploads/2021/09/ildar-garifullin-4FvfINUf33o-unsplash-1024x682.jpg)
しかし、現在の材料科学では、
カーボンブラックを使うよりも高い性能を、
カーボンブラックを使わずに実現できます。
カラフルなタイヤは作れるのです。
なら、なぜわざわざカーボンブラックを使って、
黒色だけのタイヤを製造・販売するのでしょうか?
少し長くなりましたので、
明日の記事で解説しようと思います。
最後までご覧いただき、
ありがとうございました。
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