地学

【エベレスト】世界一の山は高くなり続けてる?【最新の測量】

ネパールとチベット(中国)の国境にそびえる
世界一高い山『エベレスト』
中国名で『チョモランマ』
その高さは8848メートルと知られています。

2020年12月、この標高が変わったことをご存知でしょうか。
中国・ネパールは8848.86mと、86cm高い数字を共同発表しました。

なぜ標高が変わったのでしょうか。
測量の技術が向上しただけでしょうか。
そもそも世界最高峰・エベレストはどうできたのでしょうか?
エベレストには貝の化石があるってほんと?

エベレストの「なぜ」に迫ろうと思います。
それではよろしくお願いします。

エベレストの高さ

三角測量

日本人で一般的に知られている8848mは、
1954年にインドが三角測量で測った高さです。
これは頂上の雪の高さも含めています。

母シワ(ははしわ)、パパシワ、林家(はやしや)など
語呂合わせの覚えた方もあるそうです。

GPS

1999年にはアメリカのチームがGPSを使って、
8850mと測量しました。
2005年には中国がGPSを使って、
雪なしでの山頂の高さを8844mと測量しました。

三角測量とGPSの組み合わせ

今回2020年、中国・ネパールの調査では、
三角測量とGPSの合わせ技で、
8848.86mという最新の測量結果を出しました。

2015年に起きたネパール大地震の影響で、
標高が高くなった可能性も考えられています。

この結果は雪冠(頂上の雪)の高さも込みです。
皆さんお察しの通り、精確な標高を求めるのは難しいです。

いずれの値も誤差を含んでいます。
“最も正解に近いと思われる値”を発表しています。

エベレストの成り立ち

世界のテッペン『エベレスト』はかつて海の底でした。
山頂付近の石灰岩からは三葉虫や貝の化石が見つかっています。

これは「プレートテクトニクス」という
大陸移動の考え方にもとづいています。

つまり、インドがユーラシア大陸にぶつかって、
その間の海が盛り上がった
、という考えです。
インドは昔、ユーラシアとは別の大陸でした(5000万年前まで)。

テーブルクロスを両手ですぼめたら、
真ん中にシワが盛り上がります。
それと同じです。

地図: freeworldmaps.netより

衝突はいまだに続いていて、
エベレストを含めヒマラヤ山脈は
いまも高くなり続けています。
これも、定期的に高さを測る理由の1つです。

日本に多い火山活動によって形成された山ではなくて、
地殻運動によって形成された山であると言えます。

まとめ

世界最高峰エベレスト、
その標高測定の最新結果を紹介しました。

また、『高さの測り方』や『エベレストの成り立ち』
について解説しました。

エベレストほど高い山の標高を測ることが、
いかに難しいか、わかりました。

次の記事では、測り方によっては、
エベレストは世界一高い山ではない
ことを
解説したいと思います。

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ありがとうございました。