情報・書籍レビュー

【文献調査】簡単な検索方法【Googleの無料サービスを使う】

文献を調べること、多いですよね。
小中学生の「自由研究」から
大学生の「レポート」「卒論」、
社会人の「プロジェクト」「文筆活動」まで、
幅広く求められます。

でも、図書館に行くのはメンドウだし、
本を探すのもラクじゃないですよね。
ネットで検索する方法も、
ふつう誰も教えてくれません。

今回の記事では
『家にいながら世界中の論文を読む方法』
を紹介します。
論文といっても難しいものばかりでなく、
解説のようなやさしい記事も多く見ることができます。

Google Scholar (グーグル・スカラー)という
無料サービスを使います。やり方はとても簡単
パソコンや携帯・スマホでOK。
素晴らしいサービスなので、ぜひ使ってみて下さい。

けけ博士
けけ博士
科学研究歴13年のプロとして、
図を使ってわかりやすく解説します。
それでは、宜しくお願いします。

Google Scholarで文献調査

さっそくやり方を説明します。

Google Scholarにアクセス

まず「scholar」あるいは「スカラー」とGoogle検索します。

けけ博士
けけ博士
scholarとは学者という意味です

一番上にGoogle Scholarが表示されるので、
クリックして、アクセスします。

キーワードを検索

調べたい単語を入れて、検索してみましょう。
試しに「ブラックホール」と日本語で検索すると、

8,320件の文献を、0.03秒で検索してくれます。
検索結果画面↓↓

各文献について、以下のような表示がされます。

・タイトル: クリックすると詳細ページにとびます
・誰が、いつ、どこで発表した文献か
・文献の概要説明
・PDFダウンロードボタン: 全部ではありませんが、無料で本文をDLできるものも多くあります
・お気に入りボタン: ログインしてたら、マイライブラリに保存できます
・引用ボタン: レポートなどで参考文献としてコピペしやすいように、表示してくれます

ちなみに「black hole」と英語で検索すると、
188万件の検索結果があります。

英語なら日本語の200倍以上の情報量に
アクセスできるということです。
こう考えると、英語学習の大事さが身にしみます。
モチベーションアップになりますね。

PDFをダウンロード

検索結果に狙った情報や、おもしろそうな文献があったら、
PDFダウンロードボタンから本文をDLしてみましょう。

検索の工夫

普通のGoogle検索と一緒ですが、
ブラックホール 観測
とスペースを挟んで複数の単語で検索すれば、
ブラックホールと観測の両方を含む文献が表示されます。

あとは、例えば
“ブラックホールを観測”
とダブルクォーテーションマーク(“)で挟んで検索すると、
「ブラックホールを観測」に完全一致した文献のみが表示されます。
このフレーズを含む文献、という感じです。

【文献】おすすめの読み方

PDFをダウンロードできたら、本文を読んでみましょう。
いきなり全部読むのは大変です。
慣れるまでのおすすめの読み方を紹介します

まず、要約をチェック

まずは、要約(アブストラクト)を読んでみましょう。
アブストは読者層を意識して書かれているはずです。
(宇宙の専門家向け、科学者全般向け、一般向け、子供向けetc.)
ここが難しくて読みにくかったら、たぶんその文献を読むのは難しいです。
パッと諦めて、他の文献を探しましょう。

アブストは論文を書いた人自身が書いています。
本文が無料じゃない場合でも、
ほぼすべての文献についてアブストは無料で読めます。

あとは、この段階で『どこの誰が書いた論文』なのかチェックします。
論文の権威性チェックです。
(本当は『どこのジャーナルに載っているか』も大事ですが、
それはまた機会があれば、紹介したいと思います)

引用元: 牧島一夫. “ブラックホールの観測的研究の進展.” 日本物理学会誌 58.12 (2003): 888-895.

次に、図をチェック

分野にもよりますが、だいたいの文献には図があります。
図だけを追って最後まで見てみて、文献の全体像を把握しましょう。
図の下にはキャプション(図を簡単に説明する短い文章)が付いています。
あわせてチェックして、なんとなく理解しましょう。

表があったら、それも眺めてみましょう。
表のキャプションは表の上に付いています。

本文を通して読んでみる

アブストを読んで、図表もチェックして、
興味があったらラッキーですね。読んでみましょう。
勉強させてもらいましょう。

まだ不安がある人は『結論』を先に読むのも手です。
先に着地点を把握してから読む方が、
ラクな場合もあります。

そしたら、本文をアタマから読んでみましょう。
良い情報にめぐり会えると良いですね。

英語がニガテな場合

最初は『Google翻訳』などで日本語に訳して、
読んでも良いと思います。

Google翻訳以外だと、『DeepL』(ディープエル)という
ドイツ発祥の翻訳サイトも良いです。
スムーズな日本語に翻訳してくれます。
デスクトップ版のインストールをおすすめします。

あとはGoogle Chromeの拡張アドオン
『Mouse Dictionary』がおすすめです。
設定すれば、カーソルを合わせるだけで訳が出ます。

英語学習も大事ですが、使えるツールは使った方が良いですよね。
このへん、ご要望あればもう少し詳しく紹介します

まとめ

この記事ではGoogle Scholarを使った文献の調べ方を紹介しました。
おすすめの読み方と英語翻訳ツールの紹介もしました。

他にもCiNii (サイニー)という国立情報学研究所のサービスもありますが、
こちらは日本語の文献のみを検索できるサービスです。

Google Scholarのトップページには
「巨人の肩の上に立つ」(英語版: Standing on the shoulders of giants)
というコピーが書かれています。
「先人たちの成果や考えを踏まえてこそ、新しい発見が行われる」
というアイザック・ニュートンの考えを反映させたものです。

私達も新しいことをしようと思ったら、
まず先人たちがどのようなことを成し遂げたのか、
先行文献を調べることがとても大事です。
巨人の肩に乗った方が、より遠くを見ることができます。

今回の記事は以上です。

最後までご覧いただき、
ありがとうございました。

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