物理

【飛行機】なぜ宇宙まで行けない【高度と速度】

飛行機に乗ると、モニターにいまの高さと速さが表示されます。
客を乗せる民間の飛行機では「高さ10,000m」つまり10kmくらいです。
これは世界イチ高い山: エベレスト(8,848m)より高いです。
エベレストの山頂の気圧は平地の3分の1なので、
かなり空気の薄いところを飛んでいることになります。

飛行機はどこまで飛べるのか?
宇宙まで行ける?
正解は、、、行けません。

この記事では、
飛行機では宇宙に行けない理由
ロケットでは宇宙に行ける理由
を解説します。
それでは宜しくお願いします。

【飛行機】なぜ宇宙まで行けない

飛行機はなぜ高度10,000mと、高いところを飛ぶのでしょうか。
建物や他の飛行機とぶつからないようにするだけであれば、
もう少し低く飛んでも良い気がします。

飛行機が高度10,000mを飛ぶのは、
それがいちばん燃費が良い高度だからです。

高いところを飛ぶメリット

高度10,000mでは空気の密度が薄くなり、
空気抵抗が小さくなります。
(一般に速度が大きいほど空気抵抗が大きくなりますので、)
空気抵抗をなるべく下げて、燃料消費を抑えるために、
高いところを飛ぶことにメリットがあります。

高いところを飛ぶデメリット

そもそも、飛行機が飛ぶのは速いからです。
時速900kmくらいで飛びます。

ジェットエンジンの前から『酸素』を取り込んで、
エンジンの中で燃料を燃やして、
出たガスをエンジンの後ろに噴射します。
つまり飛行機が飛ぶため、スピードを出すためには、
『酸素』=空気が必要
です。
(飛行機が飛ぶ仕組みについての詳細は、別記事でまとめます)

以上、メリットとデメリットがバランスする高度が、
約10,000m (=10km)
です。

宇宙には行けない

一般に空気がほとんど無くなる100kmより先を宇宙と言います。
(飛行機が飛ぶ高さの10倍)
つまり、宇宙には空気がないので、
燃料を燃やして速さを得たり
翼に揚力を受けて浮かび上がったり
できません
ですから、飛行機では宇宙に行けません。

【ロケット】なぜ宇宙まで行ける

ロケットは飛行機とは違う仕組みで飛びます。
ロケットは燃料だけでなく、酸化剤も積んで飛びます
例えば、液体にして小さくした水素と酸素を積んでいて、
これらを混ぜて反応させ、出たガスを下に向かって噴射します。

この方法であれば、酸素濃度の低さに関係なく、
空気のない宇宙空間でも推進力を得ることができます。
(作用-反作用の法則)

飛行機の時速900kmに対して、ロケットの時速は約30,000km
地球の重力を振りきって、宇宙までたどり着くためには、
ものすごい速さが必要だとわかります。

まとめ

・飛行機では宇宙に行けない理由
・ロケットでは宇宙に行ける理由
を解説しました。

飛行機は空気中の酸素を使って燃料を燃やす仕組みなので、
空気のない宇宙へたどりつくことはできません。

2021年現在、
ジェフ・ベゾス(Amazon.comの創設者)や
イーロン・マスク(テスラCEO)を始め、
多くの富豪が宇宙を目指しています。

なぜ富豪は宇宙に目を向けるのか、
民間宇宙船の打ち上げを含め『宇宙ビジネス』についても、
科学者兼イチ投資家として、改めて記事を書きたいと思っています。
宜しくお願いします。

最後までご覧いただき、
ありがとうございました。

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