鉱物

【宝石と石の違い?】宝石の3条件を解説

宝石と石ころ、どのような違いがあるのでしょうか。
美しい石が「宝石」で、そうでないものが「石ころ」?
素朴な疑問ですが、線引きが難しくて、
急に聞かれたら、すぐに答えることは難しいと思います。
鉱物の専門家として、簡単に説明します。

【宝石と石の違い?】宝石の3条件を解説

早速ですが、宝石の3つの条件は『キレイで、珍しくて、硬い』鉱物です。
別の言葉で言うと『美しさ』、『希少性』、『耐久性』が条件です。

逆に石ころは、キレイではなく、どこにでもあるものです。
石も硬いですが、簡単に傷を付けることができます。

辞書的には、宝石は、
———-
〘名〙非金属の鉱物のうち、産出量が少なく、硬質で美しい色彩と光沢に富むことから装飾用として珍重されるもの。ダイヤモンド・エメラルド・ルビー・サファイアなど。』(明鏡国語辞典)
———-
とされています。

『きれいで、珍しくて、硬い』という3条件の他に非金属という言葉がでてきます。
金や銀のように自然界に金属として存在する鉱物は宝石とは呼びません。

宝石の例としてダイヤモンド・エメラルド・ルビー・サファイアが挙げられていますが、これらはいずれも透明で、1つの大きな結晶です。
また、硬いのでカットした面はとても平坦で、複雑な形にカットすることができます。
複雑にカットされた宝石に光を当てると「宝石の表面で反射する光」や「宝石の中で反射を繰り返してから出てくる光」が、色んな方向に散らばって、キラキラと輝きます。

結晶(クリスタル)の美しさについてはコチラの記事で書いています。

【ダイヤはなぜ美しい?】計算された3つの光【図で解説】キラキラと輝くダイヤモンド。永遠の輝き。その美しさには科学的な理由があります。物の見た目に関する疑問は多くありますが、大抵は学校で習う単純な現象「光の反射」「光の屈折」などの組み合わせで理解できます。結晶を研究して15年の専門家として、簡単に説明します。...


普通の石も結晶からできていますが、宝石のように1つの大きな結晶(単結晶)ではなく、小さな結晶が固まってできています(多結晶)。
透明性がなくなり、石の表面で反射する光はあっても、内部から返ってくる光はないので、キラキラと輝くことはありません。
単結晶であっても軟らかい物質であれば、すぐに傷が付いてしまい表面の光沢が無くなってしまいます。
ですので、宝石の『硬い』=『耐久性がある』 という条件は重要です。

一方で、宝石の3条件『きれいで、珍しくて、硬い』のうち、『珍しい』=『産出量が少ない』という側面は、最近では曖昧になってきています。
というのは、ダイヤモンドやルビー、サファイアといった宝石を人工的に作れるようになり、希少性が薄れてきているからです。

まとめ

この記事では宝石と石の違いについて解説しました。
宝石の3条件は『キレイで、珍しくて、硬い』鉱物であると述べました。
今度宝石を見るときに、この3条件を思い出してもらえたら嬉しいです。

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